特徴

挑戦する研究者・マーケター・実務家に経験サンプリングの技術を


ESpecially Meは、調査者(研究者・マーケター・実務家)用のウェブサイトと、調査への参加者(回答者)用のiOS/Androidアプリから構成されるESMシステムです。

さまざまな種類の質問を、スマートフォンのアプリを通じて自由自在なスケジュールで表示することによって、人々の生活、行動、思考、感情やそのときの状況を、リアルタイムで捉えることが可能になります。

 

Keyword 1:簡単

質問(調査票)の作成が簡単

数ステップの作業だけで、質問(調査票)を完成させることができます。

質問(調査票)のタイミングの設定が簡単

数ステップの作業だけで、質問(調査票)を出すタイミングを自由自在にコントロールすることができます。

データの取得が簡単

数ステップの作業だけで、集めたデータを一括してダウンロードすることができます。

 

Keyword 2:リアルタイム

生態学的妥当性が高いデータ収集

リアルタイムな測定を行うので、記憶のノイズの影響が少ない回答を得ることができます。

たとえば、ある日のSNSの利用経験を1回きりの調査でまとめて質問されても、移動中、自宅、友人といるとき、など多様な状況での利用があり、そのすべてを細かく覚えていることは難しいでしょう。
人々がSNSを利用している最中や直後に、SNSの利用についてリアルタイムで質問することによって、あやふやな記憶の影響を排除した正確な回答を得ることができます。

質問への回答にはすべてタイムスタンプが付加されます。

行動の文脈の詳細な把握

リアルタイムな測定を行うので、ある行動が起きた際にどのような状況だったか、その文脈を細かく把握できます。

たとえば、お酒を飲みたくなったときにすぐ質問を行い、何時か、何曜日か、仕事のストレスはあるか、どのような感情状態か、誰と一緒にいるかなど、お酒を飲みたくなる行動の背後に隠れた状況や文脈を抽出できます。

時系列的な変化の把握

複数回のリアルタイム測定を繰り返すので、時系列的な変化のパターンを把握できます。

たとえば、ストレスに関する質問を1日に5回、7日間繰り返すことで、朝から夜にかけて、また月曜日から日曜日にかけてストレスがどのように変化するか、変動のパターンを検討できます。
ネガティブな感情の強弱を複数回測定したとき、その測定値の平均と同程度に、ネガティブな感情の強弱の変化(ばらつき)のパターンが、Quality of Lifeや幸福度を予測することが報告されています(Houben, Van Den Noortgate, & Kuppens, 2015)。

たとえば、日中のストレスが夜の飲酒行動にどう影響するかなど、ある時点で測定したデータがその後測定したデータにどのような影響を与えるかを検討できます。

回答状況のリアルタイム把握

研究参加者の回答状況を管理者画面からリアルタイムで把握することができます。

 

Keyword 3:自由自在な調査票の設計

さまざまな種類の質問形式

多選択肢式の質問、複数選択、自由記述、リッカート尺度(例:「1=まったくない~7=とてもある」)、スライダー式のスケール、画像の添付など、さまざまな種類の質問を行うことが可能です。

質問を表示する条件設定の細かさ

複雑な条件分岐の設定が可能です。 たとえば、ある質問で特定の選択肢を選んだ場合に限って別の質問を表示することができます。

 

Keyword 4:自由自在な調査タイミング設計

時間的なタイミングの自在な設計

たとえば、次のような設定が可能です。
例1) 毎日23時に同じ質問を出す。
例2) 1時間ごとに同じ質問を10日間出す。
例3) 朝9時から夕方6時までのランダムな時刻に、最低60分間の間隔を空けて、5回質問を繰り返す。
例4) 指定した複数の時刻にピンポイントで質問を出す。

特定のタイミングで特定の質問が可能

たとえば、1日5回質問を繰り返すとして、5回目の質問内容を1回目から4回目までの質問内容とは異なったものに設定することが可能です。

回答を許可するタイミングの自在な設計

質問を出してから、回答を受け付ける期間を細かく指定することができます。 たとえば、質問を出してから5分経過した際に質問をクローズすることができます。

質問への回答を催促するリマインダー通知のタイミングを決めることができます。

たとえば、質問を出してから30分以上回答がない場合はリマインダー通知を出すことができます。

研究の参加者が自発的に回答できるよう設定することも可能です。

 

Keyword 5:介入

質問ではなく介入のための利用

事前に指定したタイミングで特定のメッセージを表示し、対象者の行動をある方向に変容させるためにアプリを利用することもできます。 たとえば、狙った時刻に服薬を促すメッセージを表示することができます。

 

Keyword 6:拡張性

スマートフォン使用ログやセンサーデータの取得

スマートフォンの使用ログやセンサーデータ(GPS,WiFiやBluetoothのスキャンログ,加速度計や光量センサーの情報など)を取得する機能を現在開発中で、順次追加機能として実装する予定です。
スマートフォンの自動記録された使用ログやセンサーデータと、アプリで取得したアンケートデータを連動させることで、より興味深い研究が可能になります。

センサーデータと連動した質問機能

スマートフォンのセンサーデータをトリガーとして、特定の質問を表示する機能を現在開発中で、順次追加機能として実装する予定です。この機能が実現すれば、たとえばGPS情報やWiFiのスキャン情報を利用し、特定の場所に滞在するときに特定の質問を表示することなどが可能です。

 

<引用文献> Houben, M., Van Den Noortgate, W., & Kuppens, P. (2015). The relation between short-term emotion dynamics and psychological well-being: A meta-analysis. Psychol Bull, 141, 901-930.