ESMとは

経験サンプリング法(Experience Sampling Method:ESM)は、その時その場での人々の行動や状況を、リアルタイムで複数回測定する手法です。この手法は特に医療・健康分野においては「生態学的経時的評価」(Ecological Momentary Assessment:EMA)と呼ばれることもあります。
 

多くの研究やマーケティングでは、1回だけ測定を行うアンケート調査がよく用いられます。
しかし、たとえば人々のSNS(Twitter)の利用経験を把握したいとして、「Twitterを通じたコミュニケーションは、どの程度楽しいですか?」と質問した時、回答者は思い出せない経験もたくさんあるでしょう。また、状況によっては、SNSの利用が楽しくない場合もあるかもしれません。
1回きりのアンケート調査で得られるのは、思い出せた過去の経験を回答者自身がまとめた、経験についての回顧的な解釈です。
 
一方、経験サンプリング法(ESM)では、たとえば、1日に6回、2週間にわたって、SNSの利用経験について繰り返しリアルタイム測定を行います。
SNSを利用してから30分以内に、今SNSを利用して誰とコミュニケーションを取ったか、それはどの程度楽しかったか、楽しさ以外にどのような感情を抱いたかなどを記録します。また、その時その場の状況、たとえば仕事をしていたかどうか、どこにいたか、誰と一緒にいたかなどを記録します。

日常生活の中で人々の経験を繰り返し測定することで、1回きりのアンケート調査ではわからない、その瞬間に生きる人々の経験が測定できるようになります。

 

ESpecially Meは、多くの人々が所有しているスマートフォンを利用することで、経験サンプリング法(ESM)を低コストで実施するためのシステムです。